日本国憲法の学習用に、「財政」について筆者の視点でまとめました。「理解すること」を目的としているため、ふりがなをつけるなど原文とは少し異なります。
参考にした書籍は、アマゾンのKindle版「日本国憲法」です。補足する形で同じくアマゾンのKindle版「あたらしい憲法のはなし」も参考にしています。どちらもパブリックドメインとなっているものです。
憲法について学ぶきっかけになれば幸いです。
日本国憲法 第7章 財政
「財政(ざいせい)」は、「国のくらしの立て方」について書かれている章です。第83条から第91条まであります。
文中の漢数字は算用数字に変更し、ふりがなをつけて表示しています。ふりがなが不要な場合は、「ふりがな無し」タブをクリックしてください。
第7章 財政(ざいせい)
第83条 国の財政(ざいせい)を処理する権限(けんげん)は、国会(こっかい)の議決に基いて、これを行使しなければならない。
第84条 あらたに租税(そぜい)を課し、又は現行の租税(そぜい)を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
第85条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会(こっかい)の議決に基く事を必要とする。
第86条 内閣(ないかく)は、毎会計年度(かいけいねんど)の予算を作成し、国会(こっかい)に提出して、その審議(しんぎ)を受け議決を経なければならない。
第87条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会(こっかい)の議決に基いて予備費を設け、内閣(ないかく)の責任(せきにん)でこれを支出(ししゅつ)することができる。
(2) すべて予備費の支出については、内閣(ないかく)は、事後に国会(こっかい)の承諾(しょうだく)を得なければならない。
第88条 すべて皇室(こうしつ)財産は、国に属する。すべて皇室(こうしつ)の費用は、予算に計上して国会(こっかい)の議決を経なければならない。
第89条 公金(こうきん)その他の公(おおやけ)の財産は、宗教(しゅうきょう)上の組織若しくは団体の使用、便宜(べんぎ)若しくは維持のため、又は公(おおやけ)の支配に属しない慈善(じぜん)、教育若しくは博愛(はくあい)の事業(じぎょう)に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
第90条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院(かいけいけんさいん)がこれを検査(けんさ)し、内閣(ないかく)は、次の年度に、その検査(けんさ)報告とともに、これを国会(こっかい)に提出しなければならない。
(2) 会計検査院(かいけいけんさいん)の組織及び権限(けんげん)は、法律でこれを定める。
第91条 内閣(ないかく)は、国会(こっかい)及び国民に対し、定期に、少なくとも毎年1回、国の財政(ざいせい)状況(じょうきょう)について報告しなければならない。
筆者の解釈
各単語の意味から、「第7章」の解釈をしてみたものを掲載します。
日本国民である筆者が、「日本国憲法を読んで理解した内容」という位置づけです。
筆者は、「自分で考える」ことが大変重要だと考えているため、専門家の解釈は採っていません。また、解釈する人により「思想の癖」があらわれると、自分自身の解釈がゆらぎ、判断が鈍ることも懸念しており、はじめは自分自身で独自に単語の意味を調べて解釈してみよう、と思ったわけです。
筆者は、歴史的観点からも、法律的観点からも素人であり、正式な解釈とは異なるかもしれません。正式な解釈や見解をお知りになりたい場合は、専門的な書籍などでご確認ください。
※以下は筆者の「言葉から読み取るだけの純粋な解釈」です。大方の意味は相違ないとは思いますが、この解釈を法的な意味合いとしての解釈とはとらえないようにご注意ください。「てにをは」は、なるべく変えずに解釈しているので、なんとなく、スッキリと読めない文章だったり、読みにくいと感じる文章になってしまっている部分もありますが、「原文の意味合いをできるだけ残したい」、また、筆者自身が「てにをは」を変えてしまうことで解釈が微妙にズレてしまうことなどを恐れて、できる限りそのままの文章で解釈してみようと試みています。読みにくい文章だなと感じたら、原文と比較したり、言葉の意味を調べたりすることで、学びが深まると思います。
第7章 財政
第83条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
第84条 あらたに租税(税金)を課し、または、現行の租税(税金)を変更するには、法律、または、法律の定める条件によることを必要とする。
第85条 国費を支出し、または、国が債務を負担するには、国会の議決に基づく事を必要とする。
第86条 内閣は、毎会計年度(4/1〜翌年3/31まで)の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
第87条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
(2) すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
第88条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。
第89条 公金、その他の公の財産は、宗教上の組織、もしくは、団体の使用、便宜、もしくは、維持のため、または、公の支配に属しない慈善、教育、もしくは、博愛の事業に対し、これを支出し、または、その利用に役立てたり、提供してはならない。
第90条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院(かいけいけんさいん)がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
あたらしい憲法のはなしで説明されている解釈と説明
「あたらしい憲法のはなし」に書かれている司法についての説明の要点を記載し、日本国憲法の章や条文とを(筆者の解釈で)照らし合わせてみました(全ての条文に対しての、それぞれの説明文ではありません)。
第7章 財政
財政とは、国のくらしの立て方をいい、国を治めていくのに費用がどのくらいかかるか、その費用をどのように整えるか、整えた費用をどのように使っていくかということです。
日本国憲法では、国会が国民に代わり、主に、予算、決算、国民から税金を取ることについて、内閣の報告の義務などを監督する役目をもつと決められています。[第83条、第85条、第87条、第88条、第89条、第90条、第91条]
- 国の費用は、国民が出さなればなりません。国民から税金をとるには、国会に提出して決めてもらわなければなりません。[第84条]
- 内閣が、国会に提出した「毎年いくらお金が入り、それをどのように使うか」という見積もりを「予算」として決めてもらわなければなりません。[第86条]
- 使った費用は後で計算して国会に提出し、調べてもらわなければなりません(決算)。国の決算は「会計検査院」という役所で検査されます。[第90条]
- 内閣は、国会と国民に対して、少なくとも毎年一回、国の財政がどうなっているかを知らさなければなりません。国会は、国民に代わり財政を監督する役目を負い、国の財政は、国民と国会とで監督されます。[第91条]
国民は、「国を治めるための費用」「その費用の整え方」「整えた費用の使い方」を知り、それらをよく監督していかなければなりません。

【第8章 地方自治】に続きます。
単語の意味
以下は、筆者自身が「意味を明確に言語化できない」または「意味が分からない」単語について調べ、忘れないように記録したものです。
「あたらしい憲法のはなし」内での説明文や、コトバンク(https://kotobank.jp/)、weblio国語辞典(https://www.weblio.jp/)、二字熟語の百科事典(https://proverb-encyclopedia.com/two/)、漢字ペディア(https://www.kanjipedia.jp/)、などを参考にしています。
- 財政(ざいせい):国や地方公共団体が、その存立すめために必要な財力を取得し、これを管理する経済的活動。公財政。個人や家庭や団体などの経済状況、私財政、かねまわり。国のくらしの立て方のこと(※1)。
- 権限(けんげん):国家や公共団体が、法令の規定に基づいて職権を行うことのできる範囲。代理人や法人の機関が、法律や契約に基づいてできる権能の範囲。個人がその場で持つ権利や権力の範囲
- 国会(こっかい):日本国憲法の定める国の議会。国権の最高機関で、国の唯一の立法機関。衆議院と参議院で構成され、主権者であるすべての国民を代表する議員で組織される。主権を持つ国民の代わりになるもので、国民の代わりに国の仕事のやり方を決めるところ(※2)。
- 租税(そぜい):税金。国や地方公共団体が公的サービスの財源(経費)として徴収する金銭
- 法律(ほうりつ):国の決まり、ルール。国民の意見に基いて決められた国の決まり。国会が制定する決まり、ルール。国会のつくる国の規則(※3)。
- 内閣(ないかく):内閣総理大臣と国務大臣の合議制の機関。国の行政を受け持つ一番上にある機関(※4)。
- 会計年度(かいけいねんど):国や地方公共団体の歳入と歳出の区切りの期間。4月1日から3月31日までとされている。
- 歳入(さいにゅう):国や地方公共団体等の年間の収入
- 歳出(さいしゅつ):国や地方公共団体等の年間の支出
- 審議(しんぎ):詳しく調べ、可否などを討議したり、評議したりすること
- 責任(せきにん):立場上、当然負わなければならない任務や義務。自分のしたことの結果について責めを負うこと。法律上の不利益(ふりえき)や制裁を負わされること。
- 承諾(しょうだく):相手の意見や希望や要求などの申し入れを同意して受け入れること。
- 皇室(こうしつ):天皇および皇族(こうぞく)の総称
- 皇族(こうぞく):天子、天皇の一族
- 公金(こうきん):国や地方公共団体の所有する金銭。公の性質を持つ金銭。
- 公(おおやけ):政府、官庁、国家。社会、公共、世間一般。表立つことや表沙汰。天皇、皇后、中宮、君主。朝廷。偏りのない、公平、公正。共通、一般。人を敬って呼ぶ言葉。
- 宗教(しゅうきょう):超自然的な力や存在に対する信仰。信仰に伴う儀礼や制度。神仏を信じ、安心や幸福などを得ようとする行為やそのための教えの総称。
- 便宜(べんぎ):都合の良いこと。都合の良いさま。よい機会。便り。音信。特別なはからい。
- 慈善(じぜん):情けや哀れみをかけること。恵まれない人や被害にあった人々に経済的援助をすること。
- 博愛(はくあい):すべての人を平等に愛すること。広く愛すること。
- 事業(じぎょう):営利目的などの目的を持って継続的な経営する仕事。
- 供する(きょうする):神仏などにそなえる、捧げる。差し出す、差し上げる。役立てる、提供する。
- 会計検査院(かいけいけんさいん):国の決算などの財政を検査する、内閣や国会や裁判所から独立している行政機関。国の決算を検査する役所のこと(※8)。
- 検査(けんさ):ある基準をもとにして、変わったところや異常の有無、適不敵や可否などを調べること。
- 状況(じょうきょう):物事が時と共に移り変わる、その時々の様子や有り様。
あたらしい憲法のはなしで説明されている意味
「あたらしい憲法のはなし」の中で説明されている言葉の意味を記載します。
- 財政(ざいせい):国のくらしの立て方のこと。
- 国会(こっかい):主権を持つ国民の代わりになるもので、国民の代わりに国の仕事のやり方を決めるところ。
- 法律(ほうりつ):国会のつくる国の規則。
- 内閣(ないかく):国の行政を受け持つ一番上にある機関。
- 内閣総理大臣(ないかくそうりだいじん):内閣の長(おさ)。内閣全体をまとめていく、という大事な役目をもつ。
- 国務大臣(こくむだいじん):国の行政を
- 行政(ぎょうせい):国の仕事のうちの第三の仕事で、立法と司法を除いたいろいろな国の仕事をひとまとめにした言い方。「内閣」と「内閣の下にある多くの役所」が受け持つ。行政は、国会から監督される。
- 会計検査院(かいけいけんさいん):国の決算を検査する役所のこと。
【第8章 地方自治】に続きます。
考察、所感、記録など色々
「純粋に、憲法に書いてある内容を理解する」ことを目的としているので、基本的に、「各単語の意味」だけを調べていますが、その中でも不明に感じたり、疑問に感じることなどがどうしてもでてくるため、気にになったことを記録として記しておきます。
筆者自身が色々学んでいく中で、今後、はっきりと結果が出たり、理解ができたものは加筆修正、または、別のページを作成したりして情報や知識を共有する予定です。
私たち国民の意識について
この章では、後で調べたいことなどのメモ的なことはありませんでしたが、1つだけ気づいたことがあり、大切なことだと思ったので記録しておきます。
私たち日本国民は「もっと学ばなければならない」ということです。筆者自身の反省でもあります。
今、現在のこの時代を「平和な時代に生きている私たち」と書こうとしましたが、躊躇した結果、この表現をやめました。今、書きたいことは、表現がとても難しい。今の日本は、平和と言えるのか?安心して生活しているとすべての日本国民が言えるのか?
確かに、戦争という名の出来事は日本国内では起こっていません。でも、憲法を学び進めていくと、『あれあれ?』と思うことがしばしばあります。
そこで、改めて思うのです。あたらしい憲法のはなしに書かれている「国民のひとりひとりが賢く、強くならなければ、国民全体が賢く、強くなれない。国の力の源は、ひとりひとりの国民にある」ということを。私たちは、そのために国から「国民のひとりひとりの力を認めて守っていく」と、基本的人権を与えられたのです。
私たち日本国民は、日本国憲法を学んだり、その他、様々なことを学んで、日本という国を守らなければならない。政治家の先生たちに丸投げで任せきりではなく、もっと、国のことに参加しなければいけない。無関心でもだめ。そんなふうに思うのです。
本当の意味で、国民が楽しく生き生きと、国のことについて考えたり、議論したりして、その気持ちを代弁したり、叶えるために国のために尽力してくれる国会議員さんを選んで、応援して、日本という国が生き生きと輝いてくれたらいいな。そうしたら、天皇陛下とともに国民もみんな幸せになることができる。そう願うのでした。(勉強会、ワの会につなげる予定です)
【第8章 地方自治】に続きます。

