昭和22年(1947年)、文部省から発行された「あたらしい憲法のはなし。1.憲法」をまとめてみました。「あたらしい憲法のはなし」はパブリックドメインなので、アマゾンや青空文庫などで無料で読むことができます。ぜひ、原本を読んでみることをおすすめします。
憲法について学ぶきっかけになれば幸いです。
あたらしい憲法
昭和22年5月3日、私たち日本国民は「あたらしい憲法」を守っていくことになりました。
新しい憲法を作るために、沢山の方々がとても苦心なさいました。
これまであった大日本帝国憲法は、明治22年にできたもので、明治天皇がおつくりになり、国民に与えられたものです。
今度のあたらしい「日本国憲法」は、日本国民が自分でつくったもので、日本国民全体の意見で、自由につくられたものです。
国民全体でつくった憲法
あたらしい憲法は、国民全体でつくりました。
国民全体の意見を知るために、昭和21年4月10日に総選挙が行われ、新しい国民の代表が選ばれました。その国民から選ばれた人々がこの憲法をつくったのです。
私たちは、日本国民のひとりです。ということは、この憲法は、私たちがつくったものです。このようなことから、私たち日本国民にとっても、憲法は、とても大きな関わりがあります。
自分でつくったものを大事にするように、国で一番大事な規則である日本国憲法を、国民の1人としてしっかりと守ってゆかなければなりません。
そのためには、この憲法にはどのようなことが書いてあるのかを、はっきりと知らなければならないのです。
憲法とは?
憲法は、国をどのように治め、国の仕事をどのように行うかを決めた、一番根本になっている規則です。
国を「家」に例えると、家の「柱」にあたるものが憲法です。憲法がなければ、国の中に大勢の人がいても、どのように国を治めていくかということがわかりません。
どこの国でも、憲法を一番大事な規則として、大切に守っています。
憲法は、国の「最高法規」です。
憲法は「国で一番大事な規則」です。言い換えると、「一番高い位にある規則」であり、国の「最高法規」といいます。
最高法規である憲法の中には、だいたい2つのことが記されています。
その1つは、国の治めかた、国の仕事のやりかたを決めた規則、もう1つは、国民の一番大事な権利「基本的人権」を決めた規則です。
この他にも、その必要により、いろいろなことを決めることがあり、日本国憲法にも「これからは戦争を決してしない」という、大切なことが決められています。
国の治めかた、国の仕事のやりかたを決めた規則
国の仕事は、一日も休むことはできません。また、国を治めてゆく仕事のやり方は、はっきりと決めておかなければなりません。
そのためには、いろいろな規則が必要です。この規則はたくさんありますが、そのうちで一番大事な規則が憲法です。
国民の権利
日本国憲法には、「国の仕事のやりかた」の他に、「国民の権利」という大事なことが書かれています。
なぜ、「国民の権利」が、「国の仕事のやり方を決めた規則」と同じように大事なのでしょうか。
国のチカラの源は、ひとりひとりの国民にあります。
私たちは、日本国民のうちのひとりです。国民のひとりひとりが賢く、強くならなければ、国民全体が賢く、強くなれません。
国の力の源は、ひとりひとりの国民にあります。
そこで国は、この国民のひとりひとりの力をはっきりと認め、しっかりと守ってゆくのです。
そのために、国民のひとりひとりに、いろいろな「大事な権利がある」ということを、憲法で決めているのです。
基本的人権
この国民の大事な権利のことを「基本的人権」といいます。
これも、憲法の中に書いてあるのです。
その他、必要により決められる規則
「国の治め方、国の仕事のやり方を決めた規則」、「基本的人権を決めた規則」の他に、必要によりいろいろなことを決めることがあります。
これからは戦争を決してしない
日本国憲法にも、「これからは戦争を決してしない」という大切なことが決められています。
条文と前文
日本国憲法は、第1条から第103条まであり、その他に「前文」があります。
前文は、一番はじめにつけられている前書きです。前文には、日本国憲法を誰がつくり、どのような考えでこの憲法の規則ができているか、ということなどが記されています。
条文
日本国憲法の条文は、1つ1つ、事柄にしたがって分けて書き、番号をつけて、第何条、第何条というように順々に記されています。
あたらしい憲法は、第1条から第103条まであります。
前文の2つの働き
前文は、2つの働きをします。
1つは、私たちが憲法を読んで、その意味を知ろうとするときに手びきになることです。つまり、こんどの憲法は、この前文に記されたような考えからできたものなので、前文にある考えと、違ったふうに考えてはならないということです。
もう1つの働きは、これから先、この憲法を変えるときに、この前文に記された考え方と違うような変え方をしてはならないということです。
前文の考え
前文の考えというのはなんでしょう。一番大事な考え方が3つあります。それは、「民主主義」と「国際平和主義」と「主権在民主義」です。主義とは、正しいと思う、もののやりかたのことです。
私たちは、この3つのことを知らなければなりません。まずは「民主主義」からお話しましょう。
国は旧字体の「國」、条は旧字体の「條」から変更しています。

