昭和22年(1947年)、文部省から発行された「あたらしい憲法のはなし。13.地方自治」をまとめてみました。「あたらしい憲法のはなし」はパブリックドメインなので、アマゾンや青空文庫などで無料で読むことができます。ぜひ、原本を読んでみることをおすすめします。
憲法について学ぶきっかけになれば幸いです。
はじめに
戦争中は、なんでも「国のため」といって、国民のひとりひとりのことが、軽く考えられていました。
しかし、国は国民のあつまりで、国民のひとりひとりがよくならなければ、国はよくなりません。
当時、中学1年生の子どもたち(生徒)に向けられて書かれた文章
地方自治とは?
国の地方ごとに、自分で自分のことを自由に治めてゆくことを「地方自治」といいます。
自治とは?
「自治」とは、自分で自分のことを自由にやってゆくことです。
「地方」という一つの団体
「国」は「国民」の集まりです。
そして、日本の国は、たくさんの地方に分かれています。
国民のひとりひとりがよくならなければ国はよくならないのと同じように、その地方がそれぞれ栄えてゆかなければ、国は栄えてゆきません。
そのためには、地方が、それぞれ自分で自分のことを治めてゆくのが一番よいのです。
なぜなら、地方には、その地方のいろいろな事情があり、その地方に住んでいる人が、一番よくその事情を知っているからです。
地方公共団体
あたらしい憲法では、この「地方自治」ということを重くみて、これをはっきり決めています。
地方ごとに一つの団体になり、自分で自分の仕事をやってゆくのです。
東京都、北海道、府県、市町村など、みな、この団体です。
これを「地方公共団体」といいます。
国の仕事のやり方が民主主義なら、地方公共団体の仕事のやり方も、民主主義でなければなりません。
地方公共団体は、国のひな型と言ってもよいでしょう。
地方公共団体の議会と選挙
国に国会があるように、地方公共団体にも、その地方に住む人を代表する「議会」がなければなりません。
地方公共団体の仕事をする「知事」や、その他の主な役目の人や、地方公共団体の議会の「議員」もみな、その地方に住む人が、自分で選挙することになりました。
国会議員、知事や市区町村長、議会の議員の選挙図
(挿絵には、以下のことが書かれています。)
私たちは、日本の国民として、参政権により、
- 国会議員である、衆議院議員と参議院議員を、
- 都道府県の住民として、「知事」や「議会の議員」を、
- 市町村の住民として、「市区町村長」や「議会の議員」を
選挙します。
国会で「特定の地域だけ」の法律をつくるには
「地方自治」が、はっきり憲法で認められました。
そのため、国の国会で、ある一つの「地方公共団体」だけのことを決めた法律をつくる場合、その地方に住む人の意見を聞かなければなりません。
その地方に住む人が投票をして、その投票の半分以上の賛成がなければできないことになりました。
おわりに
みなさん、国を愛し国につくすように、じぶんの住んでいる地方を愛し、じぶんの地方のためにつくしましょう。
地方のさかえは、国のさかえと思ってください。
当時、中学1年生の子どもたち(生徒)に向けられて書かれた文章
国は旧字体の「國」、条は旧字体の「條」、戰は旧字体の「戰」、応は旧字体の「應」、与えるは「與える」、争いは「爭い」、気は旧字体の「氣」、団は旧字体の「團」、検は旧字体の「檢」から変更しています。

