昭和22年(1947年)、文部省から発行された「あたらしい憲法のはなし。2.民主主義とは」をまとめてみました。「あたらしい憲法のはなし」はパブリックドメインなので、アマゾンや青空文庫などで無料で読むことができます。ぜひ、原本を読んでみることをおすすめします。
憲法について学ぶきっかけになれば幸いです。
民主主義
あたらしい憲法の根本となっている第一の考えは、「民主主義」です。
「民主主義があたらしい憲法の根本になっている」ということは、私たちは「民主主義とは何か?」ということをはっきりと、そして正しく知っておかなければなりません。
民主主義の考え方
民主主義とは、なるべく大勢の人の意見で物事を決めていく、という考え方です。
大勢の人々が一緒に何かをしようとするとき、誰の意見で物事を決めますか?
みんなの意見が同じなら問題はありません。しかし、意見が分かれたときはどうでしょうか。
「民主主義」の考え方は、まず、みんなが十分に自分の考えを話し合い、その後、大勢の意見で物事を決めていくのが、いちばん間違いなく、そして、あとの人は、この大勢の人の意見に、素直に従ってゆくのがよい、と言う考え方です。
民主主義での国の治め方
国を治めてゆくのも「民主主義の考え方」と同じです。国民全体で、国を治めてゆきます。
少数の人の意見で国を治めてゆくのは、よくありません。「国民全体の意見で国を治めてゆく」のが一番よいのです。
「国民全体が国を治めてゆく」・・・これが民主主義での国の治め方です。
しかし、国の場合、国民全体がひとつの場所に集まり、相談することはできません。ひとりひとりの意見を聞いてまわることもできません。そこで、国民の代わりになって、国の仕事のやり方を決めるものがなければならない、となります。
それが国会です。
国会
国会は、国民の代わりに国の仕事のやり方をきめるところです。そして、国民の代わりになるものです。
国会では、どのような事柄でも、国民の代わりである議員の大勢の意見で物事を決めます。そして、他の議員は、これに従います。
国会の議員
国会は、国民から選ばれた国会の議員によって話し合いがおこなわれます。
国民が、「国会の議員を選挙で選ぶ」ということは、「自分の代わりになって国を治めてゆくものを選ぶ」ということです。
これが「国民全体の意見で物事を決めたこと」になります。民主主義の考え方です。
国民全体で国を治めてゆく「民主主義」の考え方、皆の意見で物事を決めてゆくのが、一番まちがいが少ないのです。
民主主義で国を治めると、国民は幸福になり、国も栄えます。
そのようなことから、民主主義で国を治めてゆけば、国民は幸福になり、また、国も栄えてゆくでしょう。
国を治める2つの方法
あたらしい憲法は、2つの方法で国を治めてゆくことにしています。
「代表性民主主義」と「直接民主主義」です。その中でも「代表性民主主義」が主になっていて、「直接民主主義」の方法は、一番大事なことに限られています。
代表性民主主義
国は大きいので、国の仕事は国会の議員に任せて決めていきます。国会は国民の代わりになるものです。この「代わりになる」ということを「代表」といいます。
「民主主義」は、国民全体で国を治めてゆくことですが、「国会」が国民全体を代表して、国のことを決めていくので、これを「代表性民主主義」のやり方といいます。
あたらしい憲法は、だいたい「代表性民主主義」のやり方になっています。
直接民主主義
「一番大事なこと」については、国会に任せず、国民が、自分で意見を決めます。国民が直接に国のことを決めるので、「直接民主主義」のやり方といいます。
例えば、この、「あたらしい憲法」を変えるときは、国会だけで決めずに国民一人一人が、賛成か反対かを投票して決めることになっています。
選挙権
日本国民は、20歳になって初めて「国のことを決めてゆく」ことができます。
国会の議員を選ぶのも、国のことについて投票するのも、20歳になって初めてできることです(※1)。
国民の考えと働きで国が治まってゆくのです。
みんなが仲良く、自分で、自分の国のことをやつてゆくくらい楽しいことはありません。
これが民主主義というものです。
国は旧字体の「國」、条は旧字体の「條」から変更しています。
※1:2026年現在の選挙権の年齢は18才です。

