昭和22年(1947年)、文部省から発行された「あたらしい憲法のはなし。9.政党」をまとめてみました。「あたらしい憲法のはなし」はパブリックドメインなので、アマゾンや青空文庫などで無料で読むことができます。ぜひ、原本を読んでみることをおすすめします。
憲法について学ぶきっかけになれば幸いです。
政党とは?
「政党」とは、国を治めてゆくことについて、同じ意見をもっている人が集まってつくった団体のことです。
みなさんは、社会党、民主党、国民協同党、共産党などという名前を聞いているでしょう(※1)。
これらはみな政党です。
政党をつくる人
「政党」は、国会の議員だけでつくっているものではありません。
政党から出ている議員は、政党をつくる人の一部だけです。
「一つの政党がある」ということは、国の中に、「その政党と同じ意見をもった人が、そうとう大勢いる」ということになるのです。
政党の意見と国民の意見
「政党」には、国を治めてゆくことについて決まった意見があり、これを国民に知らせています。
国民の意見は、人それぞれ随分違いますが、大きく分けてみると、この政党の意見のどれかになるのです。
つまり、政党は、国民全体が、国を治めてゆくことについてもっている意見を、大きく色分けしたものと言ってもよいのです。
民主主義で国を治めてゆくには、国民全体が、皆意見を話し合って決めてゆかなければなりません。
政党がお互いに国のことを議論しあうのはこのためなのです。
政党についての間違った考え
日本には、この政党というものについて、間違った考えがありました。
「政党というものは、なんだか、国の中で、自分の意見を言い張っているいけないものだ」というような見方です。
これはたいへんな間違いです。
政党と政党が争い、戦っているわけではありません。
正しい考え方 − 民主主義での方法
民主主義のやり方は、国の仕事について、国民が、大いに意見を話し合って決めなければなりません。
ですから、政党が争うのは、決して喧嘩ではないのです。
「民主主義でおこなう」とすれば、必ず政党というものができます。
政党がいるのです。
また、政党はいくつあってもよいのです。
政党の数だけ、国民の意見が、大きく分かれていると思えばよいのです。
海外と国内での事例
ドイツやイタリアでは、政党を無理に1つにまとめてしまい、また、日本でも、政党をやめてしまったことがありました。
その結果、どうなったでしょうか。
国民の意見が自由に聞かれなくなって、個人の権利が踏みにじられ、とうとう恐ろしい戦争を始めるようになったではありませんか。
国会の選挙と政党
国会の選挙のあるごとに、政党は、自分の団体から議員の候補者を出します。
また、自分の意見を国民に知らせて、国会でなるべくたくさんの議員を得ようとします。
衆議院議員選挙と政党
衆議院の選挙は、政党にとって一番大事なことです。
衆議院は、参議院よりも大きな力をもっているので、「衆議院で一番多く議員を、自分の政党から出す」ということが必要なのです。
国民は、この政党の意見をよく調べて、自分のよいと思う政党の候補者に投票すれば、自分の意見が、政党を通して国会に届くことになります。
政党に属さない候補者
どの政党にも入っていない人が、候補者になっていることもあります。
国民は、このような候補者に投票することも、もちろん自由です。
政党を選ぶ理由、メリット
政党には、決まった意見があります。
そして、その意見は国民に知らせてあります。
ですから、政党の候補者に投票をしておけばその人が国会に出たときにどういう意見を述べ、どういうふうに働くかということが、はっきりと決まっている、ということになります。
政党を選ばない理由、不明点
政党には決まった意見があるのに対し、政党の候補者でない人に投票したときは、その人が国会に出たとき、どのように働いてくれるかがはっきり分からない、という不便があるのです。
国の仕事と政党
国の仕事は、「選挙ごとに、衆議院に多くの議員をとった政党の意見でおこなっていく」、ということになります。
これは、言い換えれば、国民全体の中で、多い方の意見で、国を治めてゆくことでもあります。
国民は、政党のことをよく知らなければなりません。
基本的人権として認められていること
自分の好きな政党に入り、また、自分たちで好きな政党をつくるのは、国民の自由です。
憲法は、自分の好きな政党に入り、また、自分たちで好きな政党をつくることを「基本的人権」として認めています。
誰もこれを妨げることはできません。
国は旧字体の「國」、条は旧字体の「條」、戰は旧字体の「戰」、応は旧字体の「應」、与えるは「與える」、争いは「爭い」、気は旧字体の「氣」、団は旧字体の「團」から変更しています。
※1:当時の政党の具体例です。当時の風景を感じることのできるよう、記述を残しました。
※あらためて、現在の状況と照らし合わせてみると「?」と感じるところが多々がありましたが、意味や解釈の変更を意図するような編集を加えずにまとめています。

