大日本帝国憲法の学習用に、「第3章 帝国議会」について筆者の視点でまとめました。「理解すること」を目的としているため、カタカナはひらがなに変更するなど原文とは少し異なります。
参考にした書籍は、アマゾンのKindle版「大日本帝国憲法」で、パブリックドメインとなっているものです。
憲法について学ぶきっかけになれば幸いです。
大日本帝国憲法 第三章 帝国議会
「第三章 帝国議会」は、大日本帝国憲法で設置された帝国議会について書かれている章です。第33条から第54条まであります。
文中の漢数字は算用数字に、カタカナはひらがなに変更しています。よみがな付きで読みたい場合は、「よみがなあり」タブをクリックしてください。
第34条 貴族院は貴族院令の定むる所に依り皇族華族及勅任せられたる議員を以て組織す
第35条 衆議院は選挙法の定むる所に依り公選せらるたる議員を以て組織す
第38条 両議院は政府の提出する法律案を議決し及各々法律案を提出することを得
第39条 両議院の一に於て否決したる法律案は同会期中に於て再ひ提出すとことを得す
第40条 両議院は法律又は其の他の事件に付各々其の意見を政府に建議することを得し其の採納を得さるものは同会期中に於て再ひ建議することを得す
第42条 帝国議会は三箇月を以て会期とす必要ある場合に於ては勅命を以て之を延長することあるへし
第43条 臨時緊急の必要ある場合に於て常会の外臨時会を召集すへし
(2) 臨時会の会期を定むるは勅命に依る
第44条 帝国議会の開会閉会会期の延長及停会は両院同時に之を行ふへし
(2) 衆議院解散を命せられたるときは貴族院は同時に停会せらるへし
第45条 衆議院解散を命せられたるときは勅命を以て新に議員を選挙せしめ解散の日より五箇月以内に之を召集すへし
第46条 両議院は各々其の総議員三分の一以上出席するに非されは議事を開き議決を為すことを得す
第47条 両議院の議事は過半数を以て決す可否同数なるときは議長の決する所に依る
第48条 両議院の会議は公開す但し政府の要求又は其の院の決議に依り秘密会と為すことを得
第51条 両議院は此(こ)の憲法及議院法に掲くるもの、外内部の整理に必要なる諸規則を定むることを得
第52条 両議院の議員は議院に於て発言したる意見及表決に付院外に於て責を負ふことなし但し議員自ら其の言論を演説刊行筆記又は其の他の方法を以て公布したるときは一般の法律に依り処分せらるへし
筆者の解釈
各単語の意味から、「第3章」の解釈をしてみたものを掲載します。
臣民である日本国民(筆者)が、「大日本帝国憲法を読んで理解した内容」という位置づけです。
筆者は、「自分で考える」ことが大変重要だと考えているため、専門家の解釈は採っていません。また、解釈する人により「思想の癖」があらわれると、自分自身の解釈がゆらぎ、判断が鈍ることも懸念しており、はじめは自分自身で独自に単語の意味を調べて解釈してみよう、と思ったわけです。
筆者は、歴史的観点からも、法律的観点からも素人であり、正式な解釈とは異なるかもしれません。正式な解釈や見解をお知りになりたい場合は、専門的な書籍などでご確認ください。
大日本帝国憲法 第3章 帝国議会
第34条 貴族院は、貴族院令の定める所により、皇族、華族、および、天皇により役職を命じられた議員をもって組織する
第35条 衆議院は、選挙法の定める所により、有権者の投票により選ばれた議員をもって組織する
第36条 いかなる人も、同時に両議院の議員でいることはできない
第37条 すべての法律は帝国議会の賛同と協力を経ることを必要とする
第38条 両議院は、政府の提出する法律案を議決し、および、おのおの法律案を提出することができる
第39条 両議院の一方が否決した法律案は、同会期中においては、再び提出することができない
第40条 両議院は、法律、または、その他の事件について、おのおのその意見を政府に申し立てることができる。その意見が採用 されなかった場合は、同会期中においては、再び申し立てることはできない
第42条 帝国議会は、三箇月をもって会期とする。必要がある場合においては、天皇の命令をもって、帝国議会を延長することができる
第43条 臨時や緊急での必要となる場合においては、常会のほか、臨時会を召集しなければならない
(2) 臨時会の会期を定めるのは、天皇の命令による
第44条 帝国議会の開会、閉会、会期の延長、および、停会は、両院同時にこれを行わなければならない
(2) 衆議院解散を命じられたときは、貴族院も同時に停会しなければならない
第45条 衆議院解散を命じられたときは、天皇の命令をもって新たに議員を選挙させ、解散の日より五箇月以内にこれを召集しなければならない
第46条 両議院はおのおの、その総議員の三分の一以上が出席しなければ、議事を開き、議決をおこなうことができない
第47条 両議院の議事は、過半数をもって決定する。可否が同数のときは、議長の決断による
第48条 両議院の会議は公開する。ただし、政府の要求、または、その議院の決議により、秘密会としておこなうことができる
第49条 両議院はおのおの、天皇に意見や事情などを申し上げることができる
第50条 両議院は、日本国民が差し出す請願書を受けとることができる
第51条 両議院は、この憲法および、議院法に掲げるもののほか、内部の整理に必要な諸規則を定めることができる
第52条 両議院の議員は、議院において発言した意見や、賛成や反対の意思表明について、院外において責任を負うことはない。ただし、議員自らその言論を演説したり、刊行したり、筆記、または、その他の方法をもって公布したときは、一般の法律により処分される
第53条 両議院の議員は、現行犯罪、または、内乱、外患に関わる罪を除く以外は、会期中、その議院の許諾なくして逮捕されることはない
単語の意味
以下は、筆者自身が「意味を明確に言語化できない」または「意味が分からない」単語について調べ、忘れないように記録したものです。
- 帝国議会(ていこくぎかい):大日本帝国憲法で設置された議会。二院制(貴族院と衆議院)の立法機関。天皇の統治を協賛する役割を持つ
- 貴族院(きぞくいん):貴族その他の非公選議院により組織される議員。明治23年(1890年)11月29日に設立され、昭和22年(1947年)5月3日に停止された
- 衆議院(しゅうぎいん):国民の中から公選された議員。
- 秘密会(ひみつかい):公開すべき会議を非公開で行う会議
- 大日本帝国(だいにっぽんていこく):1889年の「大日本帝国憲法」制定から、「日本国憲法」の施行(1947年)までの天皇を元首とする国家、日本の国号。
- 元首(げんしゅ):国の首長
- 首長(くびちょう・しゅちょう):集団や組織を統率する長
- 元首(げんしゅ):国の首長
- 統治(とうち):まとめ治めること。
- 治める(おさめる):統治する。主権者として国の政治をとる。混乱した状態を鎮める。
- 皇族(こうぞく):天子、天皇の一族
- 華族(かぞく):明治時代初頭から第二次世界大戦の敗戦直後まで、日本に存在した貴族(きぞく)階級。公家(くげ)や武家(ぶけ)に代わる、明治政府が設けた身分制度。
- 貴族(きぞく):身分や家柄の尊い人。社会的な特権を世襲(せしゅう)している上流階級に属する人。
- 世襲(せしゅう):地位、身分、財産、職業などをその家の子孫が代々継承すること
- 公家(くげ):日本において、朝廷に仕える貴族や上級官人の総称。
- 武家(ぶけ):日本において、軍事を主務とする官職をもった家系、家柄の総称。
- 貴族(きぞく):身分や家柄の尊い人。社会的な特権を世襲(せしゅう)している上流階級に属する人。
- 勅任(ちょくにん):勅旨により官職に任ぜられること。または、その官職(勅任官)
- 勅旨(ちょくし):天皇の意思や命令を伝えること。またはその公文書。
- 官職(かんしょく):国家公務員に割り当てられる役職。職務の種類と担当する職務の範囲
- 任(にん)ずる:官職や役目に就くように命じること。職務につかせること。(任命)
- 公選(こうせん):公職に就く人を一般有権者の投票により選挙すること
- 公職(こうしょく):知事、議員などの国や地方公共団体の職
- 何人(なにびと):いかなるひと。
- 得す(えす):できない。(得ず)
- 協賛(きょうさん):その趣旨に賛同し、協力すること
- 得る(うる):手に入れる。自分のものにする。できる
- 一に(いつに):すべてのものが1つの事柄に集中している。もっぱら。ひとえに。一方。ひとつ。
- 建議(けんぎ):上位のものに意見を申し立てる。議会が政府に意見や希望を申し立てる
- 採納(さいのう):採用する。採り入れる
- 召集(しょうしゅう):帝国議会を開くために議員を呼び集めること
- 勅命(ちょくめい):天皇の命令。みことのり。(詔命(しょうめい))
- 命(めい)す:命令する。命じる。任命する
- せしめる(せしめる):させる。行動して何かをする
- 非ず(あらず):違う。そうではない。
- 為す(なす):実行する。おこなう
- 上奏(じょうそう):皇帝、天皇に意見や事情などを申し上げること。(奏上(そうじょう))
- 臣民(しんみん):天皇、皇族、公族以外の者。日本国民
- 呈出(ていしゅつ):ある状態をあらわすこと。差し出すこと。はっきりと示すこと。
- 請願(せいがん):請い願うこと。国民が国や地方公共団体等の機関に対して要望を伝えること
- 掲くる(かかくる):掲げる。高くあげて人目に就くように示したり、目立つ場所に掲載すること
- 表決(ひょうけつ):議案などに対して、賛成や反対の意思を表明すること
- 責(せき):責任。しなければならない務め。義務
- 言論(げんろん):言葉で発したり文章に記したりして、思想や見解を発表し、論じること
- 演説(えんぜつ):大勢の前で自分の主義主張を述べること。道理や意義を解き明かすこと
- 刊行(かんこう):書籍などを印刷して世に出すこと。(出版)
- 公布(こうふ):成立した法令を国民に広く周知させること。皆に知らせること
- 内乱(ないらん):内部の乱れ。国内の騒乱。国内で政治的な対立などにより起こる騒乱。国家の統治機能を破壊・転覆することを目的として暴動を起こすこと
- 外患(がいかん):外国または外部から、攻撃などを受けるおそれのこと。外国の力を借りて日本を攻撃させること
- 国務大臣(こくむだいじん):内閣を構成している大臣。国の行政を受け持つ
- 内閣(ないかく):内閣総理大臣と国務大臣の合議制の機関。国の行政を受け持つ
- 合議制(ごうぎせい):複数人が意見を出し合い、議論や相談などの協議をおこない、物事を決定する制度
- 内閣(ないかく):内閣総理大臣と国務大臣の合議制の機関。国の行政を受け持つ
- 何時(なんとき):いつ、どんな時。(なんどき)
【第4章 国務大臣及枢密顧問】に続きます。

