13.「欲」の特徴
地球で生きるために肉体のシステムとして組み込まれた「欲」には、「光」と「影」の二面性が現れるという特徴があります。

地球は物質的な世界です。物質に光が当たると必ず影を生じます。
「欲」は、物質的な世界を生きるために必要なものです。また「魂」は、体内に宿っても発光し続け、輝き続けています。
その物質的な「欲」が、体内で自らの魂の発光する光に照らされて影を生じ、「光」と「影」の2つの特徴が現れるのです。
光と影の2つの側面のうち、どちらが発現するかにより、感情が生じます。
「光」として発現した場合
「光」は調和を生み出します。
欲の特徴が「光」として現れた場合には、優しさや愛を生み出します。
誰か(何か)を助けたり、共感したり、温かく見守ったり、安心を生み出したりと、人やすべての物事に対しての優しい気持ちや愛する気持ち、安心する気持ちが感情として現れます。

「影」として発現した場合
「影」は混沌や不和を生み出します。

欲の特徴が「影」として現れた場合には、争いや妬みなどのマイナス作用として現れます。
困っている人を見放したり、反発したり、怒ったり、責めたり、不安になったり、陥れたり、突き放したり、嫌がらせをしたりと、光や調和とは相反する気持ちが感情として現れます。
14.欲から生じる影との調和
ここでひとつ、あなた方に大切なことをお伝えします。欲から生じる影は「悪」ではありません。

地球が物質の世界である以上、人間という物質的な身体を持つ以上、欲は必要なものです。
欲から生じる影は、善悪をはかれるものではありませんが、マイナスという形での作用を及ぼすことがあるということを理解してください。
「欲」を抑圧するのではなく、
欲などから生じる影がマイナスの作用として発現するものを地球上で「ゼロ」に近づけ、
「光」と「影」との調和を進めていくことが、個魂の役割の一つです。
【自己内部の調和】
14-1. 「欲」から生じる影との調和を進める方法
争いや妬みなどの「欲のマイナス作用」が発現した場合、具体的には、「気づき」、「表現」、「行動」、「理解」の一連の流れを経て、調和を進めていきます。




その流れにより周りの環境の変化が起き、調和が推し進められていくのです。
(1)マイナス作用の出現
マイナス作用が現れます。

何かのきっかけにより、妬みや怒りなどの感情が自分自身に現れたり、また、周囲で現れたりします。
「欲」の影となって発現した感情です。
(2)気づき
マイナス作用が出現したことや、すでに出現していることに気づきます。
このとき、感情に流されたり、動機付けや理由探しをするのではなく、ただ「気づくだけ」という感覚を大切にしてください。
なぜなら、判断を肉体的な脳にのみ依存すると解釈を誤ったり、欲の上乗せが生じたりと、マイナスの感情が増幅することがあるからです。

【感情の違い】
(3)表現
事実をありのまま、脚色せずに表現してみます。

心、気持ちを表現する場合、その気持ちの源に意識を集中してください。
「脳」から発生する感情は、生存本能や生きるために出る感情で、時に突発的になったり、攻撃的になったりしてしまうことがあります。
この突発的や攻撃的な表現は、表現の手段の一つではありますが、最善の方法ではありません。
そのような場合には、困っていること、助けてほしいことなどを「落ち着いて」、「言葉にして」、「具体的」に、表現してみましょう。
演説ではありません。ですから、わかりやすく上手に表現する必要はないのです。あなたの言葉であなたらしく表現してください。

大切なことは、「対等」というイメージです。
相手に敬意を示すことは大切ですが、そこに上下関係や利害関係を表出するのは避けましょう。
欲から生じる影を調和させるには、
「見上げる表現」でも「見下げる表現」でもなく、平等な立ち位置での表現が最善です。

そして、もし、心に少しの余裕があれば、あなたの脳(思考)で、あなたの心(個魂)に問いかけてみてください。
あなたは本当は「何」を想い、「何を」感じているのか。
そして、「何」を知って欲しいのか。「何」を助けて欲しいのか。
どんな場合でも、諦めずに、丁寧に表現してください。
助けは必ず現れます。
(4)行動
「表現」を行動に移します。
表現すること自体が行動となる場合もあれば、改めて行動を起こす場合もあります。
この「行動」は、「自分自身のため」だけに限りません。「すべての生物、物事」に対しての行動を意味します。

前段階の「表現」が適切に表現されていると、
次に行動するあなたが進む「道」は自動的に目の前に現れます。

その道に沿って、「その時できること」をおこなっていきましょう。
行動する際は、「脳だけで思考、判断をしない」ように気をつけてください。
例えば「○○しなければならない」というような思いは、緊急時など、誰かを助るときに咄嗟に出る行動でもありますが、脳で思考、判断し、強制的な思い込みによって自他を苦しめる行動につながる場合もあるのです。
前者は調和を進めますが、後者では調和は進みません。
(5)理解
「欲のマイナス作用の出現」、「気づき」、「表現」、「行動」の一連の流れを理解することで調和が進んでいきます。
この「理解」は、調和を拡げ、調和を加速します。





すべての生物や物事に対して理解すること、または、理解しようとする行為は、例えば「肉体的な思考にとらわれ、歪んだ形で表現されていること」に対する理解への大きな助けとなります。
「欲」のマイナス作用に対して理解が進むと、やがて尊重する気持ちが芽生えはじめます。
一連の過程を経て、尊重する気持ちが芽生えたときが、「調和が順調に進んだ」というしるしです。
しかし、理解の過程を経ても、尊重する気持ちが芽生えないことがあります。

分岐点
気づき、表現、行動、理解を経て、尊重する気持ちが現れたか否かで、調和の進み度合いをはかることができます。





「理解」の過程を経ても尊重する気持ちが芽生えないときは、抑圧せずに時を待ちましょう。
①再び「マイナス作用の出現」「気づき」へ
「理解」の過程を経ても尊重する気持ちが芽生えず、再び「気づき」が起こることがあります。
また、再び「マイナス作用が出現」して、振出しに戻ったような気持ちになることもありますが、その過程はあなたにとって必要な過程です。
一連の流れを繰り返してください。ときに、忍耐強さや根気強さが必要な場合もあるかもしれません。
しかし、欲の影のマイナス感情に流されず、適切に表現することができれば、助けが現れ、道は開けていきます。

いずれの場合も、尊重する気持ちが芽生えないことを悲観する必要はありません。
②調和が進み「尊重」する気持ちが芽生える
欲の影の部分のマイナス作用に対して、尊重する気持ちが芽生えると、
調和が順調に進んだことを意味します。

調和や尊重は、「一つにまとまる」という意味だけとは限りません。
すべての人々は個魂であり、それぞれに異なる周波数を持つため、考え方も人それぞれです。
また、仮に同じ周波数だとしてもシナリオにが異なり、互いに敵対する役割を担っていることもあります。
必ず和合するとは限らず、
互いに尊重し、別の道を選択するいう調和もあります。
(6)互いに尊重する
自他に対して理解し、尊重することは、調和が進んだことを意味します。
①ひとつにまとまる

理解し、尊重することによって絆を深め、調和を生み出します。
「助け合う」、「手を差し伸べる」、「協力する」、「許す」、「理解し合う」などの気持ちが自然と現れ、おのずと行動にも現れるようになり、次々と調和が生み出されます。
②受け入れる・別離
理解し合い、尊重し合って「別離」を選択する場合もあります。
あなた方は、魂の目的が同じでも、それぞれ異なる役割をもって地球で生きています。
役割が相反する場合には、理解し合い、尊重し合うことがあっても「一つにまとまる」ことはありません。そのような場合には、「別離」という結果を生むこともあります。

この「別離」の状態から和合を生み出すことはありませんが、
地球の調和を進めるにはとても重要な過程となります。
③自己の内面に表れる気持ちへの尊重
自己の内面に表れる気持ちに対しても、考え方は同じです。

「正しい」「間違っている」だけの判断基準ではなく、自身の心に表れる「マイナス作用の感情」への理解が進み、その「感情」を尊重することができれば、「マイナス作用の感情が現れたまま」でも調和は進んでいきます。
ただし、「感情の尊重」は、「感情を正当化する」ことではありません。感情を「正当化」している段階は、まだ「表現の段階を経ている」過程にすぎません。
欲の感情に流されず、自分の気持ちを受け入れ、尊重するようになると、
「自分の歩むべき人生」を自信をもって歩むことができるようになります。
「欲の調和」地球の表現で表すと
この章の終わりに、地球での調和の意味合いについて紹介しておきましょう。
地球では、調和というよりも「愛」で語られることが多いようです。「欲」の影の部分が発する感情を「小我」や「利己」、「欲」の光の部分が発する感情を「大我」や「利他」といい、影を調和させることを「大我に目覚める」と表現しているように見受けられます。
次回、第7話は『<魂の記憶>生まれる前の記憶を封印する理由』についてお話します。
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