「地獄世界」は
意識が創り出す世界です
43.「地獄」という世界
中間の世界で目覚めた
「肉体的意識」と「個魂」は、
中間の世界で暮らし始めます。
生前の心残りの「記憶」が
映し出され、
現実のような世界を創り出しています。
中間の世界は、
「肉体的意識」の
心残りや、
名残を解消するために、
その「記憶」が現れる世界です。
思い残しや、
後悔などがあれば、
それらの「記憶」がそのまま映し出されます。
ですから、
「地獄」という世界に対して、
何らかの「記憶」がある場合には、
地獄世界が映し出され、
その現れた世界で暮らすことになるのです。
映し出される、それぞれの地獄像
中間の世界では、
心残りや未練、
そして
懺悔や後悔などの記憶を
ひとつひとつ解消していきますが、
ある1つの心残りを解消した後、
次に一番強く「記憶」に現れていることが
映し出されます。
生前の世界観によって、
映し出される地獄像は異なりますが、
心残りの「記憶」により現れた世界が
「地獄のような世界」となると、
その地獄のような世界での生活が始まるのです。
例1:いじめ
いくつか例を挙げてみましょう。
ある人は、生前、
ひどい「いじめ行為」をしていました。
意地悪、
嫌がらせ、
陰口、
差別、
排除、
追い出しと、
ありとあらゆる「いじめ」を行い、
周りの人々を巻き込んで、
相手を追い込み続けました。
しかし、
本人には
「いじめ」をしているという
自覚はありません。
すべては、
正義感からおこなった行為で、
周囲を平穏にしたと喜び、
手柄だと考えていたのです。
そして、
時が経つとともに、
だんだんと忘れていきました。
このような場合でも、
「心残り」として記憶に残ります。
すっかり忘れたまま「死」を迎える
いじめていた「記憶」を忘れたまま
「死」を迎えても、
中間の世界では、
すべてを思い出します。
はじめに、
いじめていた「記憶」が蘇ります。
中間の世界では、
肉体がないので
「脳」で思考することはできず、
「肉体的意識」の思考は、
「個魂」のエネルギーに委ねられています。
ですから、
「欲」はなく、
「正義」などの思想もありません。
そして、
いじめの記憶が蘇ると、
瞬時に、
いじめ行為をおこなっていた「感情」と、
いじめを受けた人の「感情」とが、
それぞれエネルギー体となり、
押し寄せるように目の前に広がり、
覆いかぶさるように映し出されます。
個魂のエネルギーを通して感じる「感情」は、
シンプル、
かつ、
ありのままを映し出し、
双方の感情のうち、
いじめを受けている感情を強く受けるため、
苦しみが生じるのです。
いじめを受けている、
強い「感情」を感じると、
見える世界が一変します。
地獄のような世界
一変した世界は、苦しみの世界です。
生前おこなっていた
いじめ行為の「感情エネルギー」は、
中間の世界では、
自分自身に降り注ぎます。
それは、
映し出された世界で、
自分自身が「いじめを受ける」ことを意味します。
受け身となり、
自分自身がいじめを受けるのです。
そして、
いじめ行為をおこなう相手も
自分自身です。
かつて、
自分がおこなった、
いじめ行為を再現し、
その行為そのものを
自分自身が受け取るのです。
いじめを受けながら、
様々な感情を抱きます。
「意地悪」や
「嫌がらせ」をしないで・・・。
「居場所」を奪わないで・・・。
事実と異なることを周囲に言い回らないで・・・。と、
いじめ行為をおこなっている
「自分自身」に懇願しますが、
止めてはもらえません。
かつて、
自分自身がそうしたように、
そのすべてを、
自分自身が受け取るのです。
辛くて、
苦しくて、
逃げたくて、
でも、
どうすることもできません。
救いもなく、
孤独で、
ただただ、地獄を感じるのです。
なぜ、
自分がいじめを受けているのかさえ
全く見当もつかず、
苦しみは増すばかりです。
そのような、
苦しくてつらい、
地獄のような状態がしばらく続きます。
そして、
次の過程に移行するのです。
懺悔
地獄のような状況が
しばらく続いた後、
いじめ行為をおこなっていた
自分自身から謝罪を受けます。
いじめ行為をおこなっているのは自分自身なのですが、
赦すことができません。
そして、
つらい思いを体験し続けるのです。
何度も、
何度も、
繰り返し体験します。
受け身となって
いじめを受けながらも、
自分自身の懺悔を受け入れ、
自分自身がした行為を赦すことができたとき、
その心残りは初めて解消されます。
解消されると同時に、
つらくて苦しい
「地獄のような世界」は消え去るのです。
そして、
新しい世界が目の前に現れます。
例2:罪への後悔
先にお話しした『いじめの場合』では、
「いじめて傷つけた」という認識がなく、
その後も、
いじめ行為自体をすっかり忘れていたという例ですが、
もうひとつの例として、
生前、
ずっと「罪」の意識にさいなまれ、
後悔をしながら生きていたという場合のお話をしましょう。
このような場合は、
たとえ謝罪をして、
相手から赦しを得られたり、
実際に罰を受けて、
世間的には罪を償っていても、
本人にとって、
「罪が消えることはない」と思い込むことで、
自身への「罰」を望み続けながら
「死」を迎えることがあるのです。
心残りの「記憶」が、
「罪をうけるべきという記憶」であり、
また、
「罰を受けるべき」だと信じている場合、
その「記憶」が映し出され、
地獄のような世界が現れます。
双方の感情エネルギーを受け取る
罰を受けるに値する行為をおこなったと
自分自身で信じている場合、
現れる世界が
地獄のような世界になることがあります。
生前の記憶から映し出された
地獄のような世界で、
「記憶」が蘇ります。
「肉体的意識」が覚えていた記憶と、
実際の「記憶」とは異なることも多く、
記憶が蘇ることで、
瞬時に、
かかわりのあるすべての「感情」が、
それぞれエネルギー体となり、
押し寄せるように目の前に広がります。
そして、
覆いかぶさるように映し出されるのです。
個魂のエネルギーを通して感じる感情は、
シンプルで、
かつ、
ありのままを映し出します。
どの「感情」が
より強く現れているのかにより、
映し出される世界は異なりますが、
地獄で罪を償いたいという「記憶」があると
まずは、
その世界が映し出され、
見える世界が一変します。
罪を償うための地獄という世界
先にお話ししたように、
自身がおこなった行為は、
自分自身が受け取ります。
それは、
地獄のような世界です。
そして、
その行為を受けてもなお、
赦すことができたとき、
その心残りは解消されるのです。
解消されると同時に、
「罪を償うための地獄」という世界は消え去ります。
そして、
新たに映し出された世界で、
再び心残りの解消が始まるのです。
個魂の役割と地獄世界
個魂の役割が、
たとえば、
「反対する人」や
「妨害する人」だった場合、
役割を遂行するために行動を起こすと、
それが、
必然的に
人を傷つけてしまう場合があります。
【魂の役割の内容】
「欲」から生じた行為ではなく、
役割遂行のために、
「せざるを得ない」行為だったのです。
このような場合でも、
魂の世界に帰るためには、
個魂自身の「心残り」という記憶を
癒して解消しなければなりません。
自分自身のおこないを
自分自身で受け取るという、
地獄のような苦しみを味わうことは避けられませんが、
魂の世界からの癒しが同時に施されます。
地球の調和のための
大切な役割でも、
地球で共に生きている人々と
傷付けあうのは辛いものなのです。
心の奥底では、
とても苦しみ、
泣きながら役割を遂行していたのです。
そのような、
「役割遂行」のための行為と、
「欲」から生じた行為は区別されます。
そして、
役割遂行のためにおこなった行為に対して
苦しんでいる個魂には、
最善の癒しと施しが与えられるのです。
特殊なシナリオと地獄
役割遂行のための行為と同じように、
特殊なシナリオが発動したために、
危険な行為をせざるを得なかった場合にも、
魂の世界からの特別な癒しが施されます。
「特殊なシナリオ」に
書き込まれている出来事を
実行したのは自分自身でも、
その「きっかけ」を作ったのは、
その不調和にかかわる多くの人々です。
そのとき、
個魂自身に決定権はなかったのです。
その多くの人々の責任まで、
とらされることはありません。
自分自身がおこなった行為のみ、
自分自身で受け取り、
自分自身で赦すことができるまで続くだけです。
役割遂行のために傷ついている個魂と同じように、
特殊なシナリオを遂行したために、
深い傷を負うことになったのです。
その深い傷は、
心残りの解消と同時に、
魂からの最善で最高な癒しが施されます。
特殊なシナリオのきっかけを作った人々
特殊なシナリオをもって地球に生まれ、
地球で、
特殊なシナリオに移行してしまった人は、
自身のおこなった行為に対して、
深く傷ついています。
そのため、
「心残り」の解消とともに、
魂の世界から癒しが施されます。
しかし、
事件と直接的な関係がなくても、
そのきっかけを作り、
間接的に事件を起こした人々がいるのです。
そのような人々は、
死後、中間の世界で気づきます。
特殊なシナリオが発動するきっかけを作った人々と地獄
特殊なシナリオの
きっかけを作った人々は、
きっかけを作ったことさえ気づかずに
事件を他人事で見ながら
生きていることが多いものです。
このような場合には、
死後、
中間の世界で、
心残りの解消として「記憶」が蘇ります。
身に覚えのないことでも、
それは、ただ、
「欲」が先行し、
「無関心」だからこそ、
気づくことができなかっただけなのです。
欲から生じる
「自分たちだけよければ思想」を信仰していたからです。
魂の存在を受け入れ、
魂からのメッセージを
聞き入れていれば、
事件のきっかけを作らずに済んだのです。
先ほどのいじめの場合と同じように、
死後、
すべての記憶は蘇ります。
そして、
かかわりのあるすべての
「感情エネルギー」を受け取ることになるのです。
加害者の感情エネルギー、
被害者の感情エネルギー、
第三者の感情エネルギーと
すべての感情エネルギーが、
押し寄せるように目の前に広がり、
覆いかぶさるように映し出されるのです。
その結果、
「特殊なシナリオ」を携えて
地球に生まれた人の
感情エネルギーをも受け取ることになります。
そして、
特殊なシナリオを追体験するのです。
加害者、
被害者、
第三者の感情エネルギーをすべて受け取り、
そのすべての追体験をすることになります。
それは、
とてもつらい体験です。
地獄絵図のように感じる場合もあるのです。
しかし、
心残りが解消されれば、
地獄のような世界は消え去ります。
そして再び、
見える世界が一変するのです。
心が創り出す世界
このように、
地獄世界は、
誰かに連れていかれるものではありません。
誰かに罰せられるものでもありません。
自身の
「記憶」により映し出され、
「感情」が創り出す世界です。
その感情が解消されれば、
心残りは解消され、
その地獄世界に属することはできなくなります。
そして、再び、
新たな記憶が湧きあがり、
感情を認識すると同時に
世界が一変するのです。
このようなことが繰り返され、
心残りは解消されていきます。
次回、第36話は
『<死後の世界>思想の世界-信念世界と魂の癒し-』のお話です。
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